2016年11月29日火曜日

神戸市主催の六甲全山縦走大会での六甲全山縦走について

(2019/12/14) タイトルを変えました。
この次に神戸市主催の六甲全山縦走大会での渋滞についてというのを書いた。そちらも見てみてほしい。

前回,六甲全山縦走を達成するにはというのを書いた。そちらも見てみてほしい。
 前回,六甲全山縦走を達成するには,として,私なりの意見を書いてみた。まぁ,あくまで個人の意見なので,同意できない人は多々いると思うが,勝手に言っといてくれ,ぐらいに思っておいてほしい。で,折角なので,ここでは神戸市主催の六甲全山縦走大会の話を書いておこうと思う。

 前回も書いたが,六甲全山縦走は,神戸市によると公称56km,GPS と地理院地図によると 45km の距離と 3500 m を越える累積高度の上りと下り(地理院地図の標高APIを用いた場合の計算値)を含むルートを1日で歩き通す,というものである(と私は思っている)。そこを歩き通す大会としては,毎年11月に2回(1日2000人ずつ)行われている神戸市主催の六甲全山縦走大会がある。他にも,毎年3月第2日曜日に開催される兵庫県勤労者山岳連盟(兵庫労山)主催の全山縦走大会や,毎年3月の最終日曜日に開催される神戸ヒヨコ登山会による大会,どこかのボーイスカウトのグループが行う大会,などがある。さらに,歩いても走ってもマウンテンバイクでもいいから,須磨浦公園から宝塚まで移動する六甲縦走キャノンボールランという大会も年に2回行われている。

 ここでは,神戸市主催の六甲全山縦走大会について書こう。神戸市主催の大会は,須磨浦公園を午前5時から7時の間に出発して,菊水山,摩耶山掬星台,一軒茶屋前広場,の各チェックポイントを決まった時間内に通過して,最終的に宝塚の宝来橋南詰にある湯本台広場のゴールを目指す大会である。この大会では,走ることは禁止であり,初心者を念頭に置いた大会となっている(神戸市発行の冊子に初心者向けの大会と記載がある)。私はこの大会で2度完走(踏破?)し,1度ボランティアで参加している。完走した際は,1度は山陽電鉄須磨浦公園駅に5:30頃に着く新開地発の始発電車でスタート地点に向かい,12時間程度の時間で完走した。別の時には宿からタクシーで須磨浦公園に向かい,5時3分頃にスタートして,掬星台のチェックポイントの受付待ちを含めて11時間弱で完走した。さらに,ボランティアの時にも,予習・復習と称して須磨浦公園から宝塚まで歩いた。また,大会とは全く関係なく8回六甲全山縦走した経験がある。これらを2014年秋からの期間で達成している…。まぁ,いわゆるアホですね。そんな私から見た六甲全山縦走大会での六甲全山縦走に関する事項を書いてみようと思った。

六甲全山縦走大会では,以下のような事が気になると思う。
 (0) 渋滞(別に記載
 (1) スタート地点への行き方と到着時間
 (2) ミスコース
 (3) トイレ
 (4) 飲料と食料の確保
 (5) 寒い時や雨が降った時の大会
 (6) 怪我や体調不良の場合
 (7) 登山靴について
 (8) ストックは必要?
 (9) 走ってはいけない!!
 (10) チェックポイントの受付時間
 (11) ボランティア
 (12) リタイアとエスケープルート
 (13) 距離や累積標高について
 (14) 完走の順位やご褒美は?
 (15) 達成後の風呂
 (16) 住民の方々からの苦情
 (17) 足が攣る,膝が痛い
これらについて,つらつらと書いていこう。

(0) 渋滞について
 これについては,この項目だけである程度の量になるので,別に書こうと思うが,基本的には登山道で渋滞に巻き込まれるものと考えておいた方がよい。状況によっては渋滞に遭わずにゴールできるが,初心者には難しいと思う(初参加でもそれなりの登山経験があればいけるけど…)。

(1) スタート地点への行き方と到着時間
 神戸市主催の六甲全山縦走大会のスタートは須磨浦公園である。須磨浦公園駅前から,西の方角で少し高いところに向かうアスファルト道路を登っていった先の見晴らしの良い広場状の場所である。そこに行くには,昼間なら山陽電鉄の須磨浦公園駅から歩くのが効率がいい。しかし,全山縦走大会のスタートは午前5時であり,東からの始発電車が着く5:30には既に2~3百人がスタートしている。そのため,高倉台を過ぎた後の栂尾山への登りや,須磨アルプスでの渋滞を覚悟しないといけない。また,多くの場合はまだ出発待ちの列があり,その後ろに並ばないといけない。
 これらを避けるには始発電車よりもずっと前に須磨浦公園に行かないといけないが,地元の人なら自家用車で送ってもらう事も可能だが,そうでないと神戸駅付近から3000~5000円を払ってタクシーで駆けつける必要がある。その場合は,天候によっては寒空の中で凍えながら出発を待たないといけない事もあるので,それなりの覚悟が必要であろう。逆に,のんびりと6時過ぎに着く電車で行き,渋滞覚悟でゆっくり目に歩くという手もある。
 

スタート地点に並ぶ人々

(2) ミスコース
 インターネットを見ていると,神戸市主催の六甲全山縦走大会は参加者も多いし,ボランティアの人たちも沢山いて,地図がなくても迷うことはない,という記述を見かける。事実,コースを歩いていると要所々々に手作りを含めていろいろな標識があり,ルートを予習した上で標識を探しながら歩けば迷うことは少ない。しかし,「迷うことはない」という表現は間違っている。六甲全山縦走路は,山の中は一本道だったり,分岐点に標識があったりして思ったほど迷わないが,市街地を歩く場面では意外とルートミスする人が多い。標識もデカデカとあるわけではなく,小さな標識で矢印が描いてあったりする。注意して探していないと意外と見落としてしまう。特に誰かと話をしていると標識を見落とすことが多い。また,ボランティアの人も全ての曲がり角にいるわけではないし,他の参加者と少し距離が開くとルートがわからなくなる場合がある。ルート上にいればそのうち人が来るからルート上にいるとわかるが,ルートを外れてしまうと,ミスコースで人がいないのか,たまたま前後との間隔が開いたのか,がわからなかったりして正しいルートに戻るのに時間がかかる可能性がある。全山縦走大会で迷うことはない,という記述を全面的に信用するのはやめておいた方がいい。
 今は YAMAP やヤマレコなどのアプリで現在地がわかるので,それがあればミスコースするとわかるが,できれば事前に歩いて知っておく方がいいと思われる。
 また,よくボランティアの人が道を教えてくれなかったからミスコースしたと文句をいう参加者がいるみたいだが,この大会は本来は参加者が自分で地図上のルートを見て歩かないといけない大会なので,ボランティアに人に文句を言うのは筋違いである。

(3) トイレ
 少し寒い時期に行われ,距離が長い六甲全山縦走大会では,どうしても数回トイレに行きたくなる。その際,すぐにトイレがあればいいが,トイレの場所は限られているし,場所によっては混む時間があり,並ばないといけないことも多い。六甲全山縦走の際のトイレは,須磨浦公園,おらが茶屋,横尾団地の椿谷公園のトイレ(100m離れている),妙法寺小学校(仮設),妙法寺交差点近くのローソン,荒熊神社横,高取山月見茶屋横公園,高取山安井茶屋横公園,鈴蘭台処理場,菊水山(300m離れている),修法ヶ原(かなりコースから外れる),市ヶ原櫻茶屋前,摩耶山掬星台,杣谷峠,記念碑台,六甲ガーデンテラス,一軒茶屋の向かい,にある。トイレによってはコースからかなり外れないといけないので,事前にどのトイレに寄るかをシミュレーションしておくのがよい。ちなみに私は,スタート付近でトイレに行き,高取山安井茶屋横公園のトイレ,市ヶ原櫻茶屋前トイレ,摩耶山掬星台,六甲ガーデンテラスのトイレに寄るパターンが多い。

(4) 飲料と食料の確保
 六甲全山縦走をするにはそれなりの食料と飲料が必要になる。食料に関しては,妙法寺交差点付近にコンビニがあるが,その他には六甲山の丁字ヶ辻を過ぎた辺りにある藤原商店ぐらいしか見当たらない(少しコースをはずれるが「〒653-0875 兵庫県神戸市長田区丸山町2丁目1−21」にファミリーマートがある)。六甲ガーデンテラスと一軒茶屋には食事をする場所があるが,それ以外は六甲山ホテルのジンギスカン屋などしかなく,食料に関してはできるだけ自分で持っていく必要がある。摂取カロリーは飲料との兼ね合いになるので人によるが,12時間程度歩き続けれるだけの食料が必要である。そのため,おにぎりなどの他にできるだけハイカロリーなバナナやチョコレートもある程度あるといい。
 飲料に関しては,市街地には比較的自動販売機がある。高倉台や妙法寺交差点付近には自動販売機があり,高取山を下った後の鵯越駅までの区間や,鵯越駅前にちょこちょこ自動販売機がある。しかし登山道に入ると自動販売機のある場所は限られているので,それぞれの区間に必要な飲料は持っていかないといけない。鵯越駅から先は,大龍寺の広場,市ヶ原櫻茶屋前,摩耶山掬星台,藤原商店,六甲ガーデンテラス,極楽茶屋跡,一軒茶屋に自動販売機がある。適宜,各区間に必要と思われる飲料を購入して先に進む必要がある。ただし,六甲全山縦走大会当日は,時間によってはスポーツドリンクが売り切れていたりするので,ぎりぎりの量だけ持って歩くのは少々危険であることは知っておいて欲しい。さらに,東六甲縦走路区間に入ると宝塚まで自動販売機はない。また,一軒茶屋は種類が少ないので,できれば極楽茶屋跡までに最後まで歩けるだけの飲料を確保しておきたい。
(追記) 2018/11/11 の大会では,気温が高かったため,後ろの方を歩いている参加者が通る頃には,大龍寺駐車場でも市ヶ原でも自動販売機の冷たい飲み物は売り切れていた。摩耶山掬星台でもほとんどない状態だった。気温に左右されるが,飲料がうまく手に入らない可能性もあるので,暖かい日には少し多めに持って歩かないといけないかもしれない…。
 

朝焼けの須磨アルプス

(5) 寒い時や雨が降った時の大会
 六甲全山縦走大会は,基本的に少雨決行である。しかし,実際には結構の雨でも開催されているようである。2016年は2日間とも雨には降られなかったが,それまで5年間はどちらか,あるいは両日とも雨に見舞われてきたらしい。それでも六甲全山縦走大会は開かれてきた。そのため,レインウェアは欠かせない。登りではかなり体が発熱するので,安物の雨合羽を着ていると蒸し風呂に入っているようになり汗だくになり,後で体が冷えて困ることになる。1回だけの挑戦ならわからないが,普段の登山でも使えるので,透湿性がある上下別のレインウェアを持っておいた方がいい。
 また,11月の大会のため,特に2日目は,寒くなることがある。その場合の防寒対策が必要である。寒さ加減によるが,登山シャツの上にフリースなどの服と,その上に風を止めるためのジャケットかレインウェアの上着が必要になる。歩いていれば暑いから1枚少なくてもいい,という人もいるが,チェックポイントで受付開始時間より早いために待たされることもあるし,渋滞でペースが遅くなる事も多い。そんな時にはあまり体を動かしていないので発熱が少なくなる。その時のために防寒着を忘れないようにしよう。ちなみに 2016年11月23日の大会では,前日からの寒気のために摩耶山掬星台ではかなりの風が吹き,非常に寒かった。それでもチェックポイントの受付開始時刻は変わらなかったので,長い人では1時間以上寒空の中,待たされたみたいである。

(6) 怪我や体調不良の場合
 六甲全山縦走大会は基本的に自己責任となっている。そのため,怪我等があってもボランティアを含めて大会スタッフは最低限の援助しかしてくれないことになっている。もし直前に体調が思わしくない場合は,参加の取りやめも視野に入れておいた方がいい。AED もあるにはあるが,主たるチェックポイントにしか置かれていないので,山の中で必要となってもすぐには持っていけない。その場合は,助かる命も助けられない可能性があるので,事前の体調管理も含めての自己責任となる。事前に参加者に送られる神戸のエスプリという冊子には健康診断のお知らせが載っているぐらいである。くれぐれも無理して参加することがないようにしたいものである。しかし,体調がいいと思って参加したけど体調が悪くなった場合や,思わず怪我をすることはありうる。その場合は定点に止まっているボランティアや,ペースメーカーとして歩いているボランティアに声を掛けると,できる範囲の対処はしてくれるはずなので(ボランティアの人によるので,応援しかできない人もいるかも…),気兼ねなく声をかけるのがいいと思う。最悪,最後尾のさらに後のスイーパーには,応急処置道具を持ったスタッフがいるので,ある程度の対処はしてもらえると思う(たぶん…)。
 

菊水山から見た明石海峡大橋

(7) 登山靴について
 靴は登山用品店で売っている登山のための靴(いわゆる登山靴)である必然性はない。歩きやすい靴なら基本的にはなんでもいい,というか特に規定はない。しかし,土の山道以外に,岩をよじ登る場所や樹脂の階段,アスファルト舗装の道,コンクリート舗装の道,数センチ大の石がゴロゴロした道,砂が浮いている道,などさまざまな路面状況の道を歩かないといけない。雨の日はぬかるんだ道や,滝のように水が流れる登山道も歩かないといけないことがある。従って,そんな道でも歩けるような靴が必要である。個人的にはミドルカットからハイカットの登山靴がいいと思う。足首の保護があって捻挫しにくいのもあるし,底が分厚いので少々の石ころや岩がゴツゴツした場所でも足の裏が痛くなりにくい,というメリットがある。しかし,人によっては,重すぎる,とか,足が蒸れる,とか,舗装路が沢山あるから底が柔らかい方がいい,などの理由で別の類の靴を履く人も多い。一番多いのはトレラン(トレイルランニング)用のシューズかもしれない。まぁ,あくまで好みなので,最後まで歩き通せる靴ならなんでもいい。
 当然だが,歩き慣れていない靴だと,靴ずれを起こしたりマメができたりするので,それなりに歩いたことがある靴がいい。

(8) ストックは必要?
 ストックに関しては,使いたい人は使えばいいと思う。ただし,先端の石突きが出た状態は他の人に危険ということで,石突きのカバー(ラバー等)を付けるようにと指示されている。私はストック2本使って4本足状態で歩いている。私がストックを使うのは,登りで足の負担を減らすためと,平坦路でノルディック風に使ってペースをあげるためと,下りで膝への負担を減らすため,に使っている。つまり,ほぼずっとストックのお世話になっている。使っていないのは岩場の上り下りぐらいかもしれない。ストックを使うことでかなり足が疲れても登りで体を上に持ち上げることができるし,下りではついたストックが動かないように気をつけないといけないが,比較的ラクに下っていくことができる。歩いていない時には邪魔になったりするが,距離が長い六甲全山縦走路では,足の負担を減らすためにはいい道具だと思う。

(9) 走ってはいけない!!
 神戸市主催の全山縦走大会は「走ってはいけない」。これは参加者に送られてくる冊子にも書いてあるし,スタート地点の横断幕にも掲げられている。しかし,厳密に走っているかどうかを判断するのは難しいし,状況によっては短い区間を小走りにならざるをえないこともあるので,あくまで「原則として走らない」ようにだと解釈している。走らないといけないシーンとしては,登山道や車道沿いを歩いている際に,前の人を抜きたい時があげられる。いくら前の人の歩く速度が遅いからと言って,狭い登山道で無理やり追い越すのはお互いに気持ちのいいものではないし,場所によっては危険ですらある。では,ずっと遅い人の後ろにいるべきかというと,遅いペースで歩くのはむしろ疲れる場合もあり,得策ではない。前の人が譲ってくれれば問題はないが,歩きが遅い人ほど自分の後ろの状況を把握できないように感じる。そうなるとどこかで抜かさざるをえない。当然,それは少し道の幅が広くなった所だが,その距離は短いことが多い。そうなると少し歩くペースを上げるだけでは抜かすことはできない。そこで,小走りが登場する。ちょっと小走りすると簡単に抜けるため,無理やり抜かす必要がなくなる。同じことが車道沿いでも言える。車道沿いは意外と車がくるので,端によって一列で歩くのが正しい。しかし,抜かそうと思うとどうしても一時的に並列になる。その時間は短い方が,登山者にとっても車のドライバーにとってもいいことである。そのため,抜かす時には,車が途切れたタイミングで前の登山者に声をかけて,横から小走りで抜くのがより安全であると考えられる。
 

大龍寺山門では豚汁

 また,下りの場合,傾斜のきつさにもよるが,一歩一歩ブレーキをかけながら下るのは膝への負担が大きい。例えば,塩尾寺から宝来橋に向かっての舗装路の下りは太ももが疲労して膝を支える力が衰えている事もあり,一歩一歩ブレーキをかけながら下るのは結構膝に負担がかかる。無理して歩くと膝を痛める事につながりかねない。そんな時,私は早足で下る人と変わらないような速度で小走りで下る事が多い。小走りだけど,歩いているのと速度は変わらないし,道幅も広いので,走っているから危険,という状況にはならない。逆に歩いていても走っているかのように速い人もいて,そんな人が強引に抜こうとするとやはり危険である。一番の問題は,走るか走らないかではなく,速度差ではないだろうか?

 このように,登山の際に絶対に走らない,というのは無理があるし,より危険なことも多い。では,なぜ神戸市主催の六甲全山縦走大会では「走ることは厳禁」なのだろうか?
私が推測する意図は,
 ・狭い登山道を走ると,歩いている登山者とぶつかったりして危険である。
 ・走る人は速度が速いので,どうしても他の登山者を抜かそうとする。
 ・沢山の登山者を抜かすためには,かなり無理して抜かす状況が多くなると考えられる。
 ・この大会は初心者も多く,必ず渋滞が発生する。そのため無理な追い越しが増える可能性が高い。
 ・状況によっては小走りも必要かもしれないが,それを丁寧に説明するのは難しい。
 ・また,例外を認めると,それを足がかりにしていろいろイチャモンをつけて走る人が出てくる。
などがあると思う。あくまでこの大会は初心者を念頭に置いた歩く大会であり,速く行きたい人は別の日に個人的にやってほしいというスタンスみたい。

個人的には,神戸市主催の六甲全山縦走大会では,以下のように考えている。
 ・狭い登山道や,人が沢山いて混雑している状況では走らない。
 ・前方の人を抜かすのはある程度道幅がある場所か,ルートがふた手に分かれている場所などを利用する。
 ・車道沿いを歩いている時に抜かす際は,道の反対側の端に移動して後で戻ってくる作戦か,小走りを使う。
 ・長い下りで一歩一歩ブレーキをかけたくない時は,早足程度の速度で小走りして膝への負担を抑える。

いずれにせよ,速い人も遅い人も他の登山者に気を遣って歩く必要があるのは,この大会に限らない。常に他者への気配りを心がけながら歩きたい。

(10) チェックポイントの受付時間2023年度から各チェックポイントの通過可能時間が変更になるらしい
 チェックポイントの受付時間は,須磨浦公園が 5:00 - 7:00,菊水山が 8:30 - 12:15,摩耶山掬星台が 12:00 - 15:35,一軒茶屋が 13:50 - 17:45,ゴールの湯本台が 16:30 - 22:00 である。この中では,掬星台の受付と湯本台の受付開始時間がかなり遅めとなっている。これは,早く到達する人を抑制する意味があると思う。まあまあ速めだけど,めちゃめちゃ速いわけではない私ですら,掬星台で40分ほど待たされたし,湯本台でも30分程待たされたことがある。また,この大会にはいろんな速度の人が参加するため,すべての人に合わせようと思うと,ゴール受付の時間にすごく幅を持たせないといけなくなるから,という意味もあるかもしれない。いずれにせよ,そんなもんだと思って参加する必要がある。
かつての時刻:須磨浦公園「5:00 - 7:00」,菊水山「8:30 - 12:20」,摩耶山掬星台「12:00 - 15:50」,一軒茶屋「13:50 - 18:20」,ゴールの湯本台「16:30 - 22:40」

(10)-2 コースの変更2023年度はほんの少しコースが変更(ルートの限定)があるらしい
 2023年秋の六甲全山縦走大会では,コースが一部変更(ルートの限定)が行われるようである。 その場所は一軒茶屋の手前で,登山道でいうと六甲山最高峰に向かって登っているところ,である。 これまでの大会では,六甲山最高峰付近の登山道を歩かずに車道沿いを歩いて一軒茶屋前まで行ってもよかったが,2023年は六甲山最高峰に向かう登山道(階段が続く)を歩かないことになるらしい。 それ以前の区間では特に制限はないみたいだが,一軒茶屋の道を挟んだ向かいにある公衆トイレ(2022年?に新しくなった)付近にあるチェックポイントを参加者がちゃんと通過するために,ルートを限定するみたい。 しかし,六甲山最高峰へ向かっての上りはコース終盤にあるため疲れた足には結構しんどい。初心者の人には辛いルート変更になると思う。実際の運用がどうなるかはわからないが,気になる点である。

(11) ボランティア
 神戸市主催の六甲全山縦走大会は2日間とも2000人ずつの参加者がいる。それを支えているのは,多くのボランティアである。ボランティアには決まった地点に留まっているグループ(定点)と,コース上を歩くグループ(徒歩班)に分かれている。定点の人たちは,コースの案内・誘導・「静かにの指示」等をする人,チェックポイントでチェックを行う人などがいる。早い人は午前3時前にはスタート地点にいて,並んでいる参加者の整理などを行っている。チェックポイントでは,交代で参加者の通過チェックや,清掃なども行っているようである。

徒歩班は,特定の区間を往復するパトロールと,須磨浦公園から菊水山,菊水山から掬星台,掬星台から一軒茶屋,一軒茶屋から宝塚,と全体を4つに分けて参加者と同じルートを歩く係がある。掬星台から先は同じ人が宝塚に行くパターンも多いので,一つの区間として捉える方がいいかもしれない。参加者と同じように歩く係は,それぞれの区間で,最後尾(通称・赤鬼,チェックポイントの制限時間に合わせて歩く),スイーパー(通称・青鬼,赤鬼の10分後を歩く),赤鬼の前を行くペースメーカー(赤鬼1時間半前,赤鬼1時間前,赤鬼30分前。30分前は黄色のゼッケンをつけている)がいる。ペースメーカーは基本的に一人で歩くが,それ以外は複数人で担当する。
 

摩耶山での紅葉

最後尾赤鬼)はチェックポイントの制限時間の目安となるので,予定時刻通りに歩く事が求められ,場合によっては渋滞で抜かしてでも前に行くらしい。スイーパー青鬼)は,途中でリタイアしそうな人に声をかけ,リタイアを決めた人からは参加証を受け取り,かつ下山のアドバイスをする。まだいけそうな人は元気づける事もあるらしい。本人には継続の意志があっても,制限時間に間に合わない場合はリタイアの勧告も行うらしい。なかなか責任重大な業務である。パトロールは,交代で一人が定点に残り,もう一人が特定区間を往復して問題がないか見て回る役である。最終区間のパトロールのみ,一方通行で,かついくつかのペアが時間をずらして歩き,参加者にトラブルがないかなどを見ながら歩いている。最終的に出発した人数と,ゴールおよびリタイアした人数が合わないといけないらしい。特に最終区間は山道が続くため,場合によっては山道を引き返して探すこともあるらしい。その他の徒歩班は,基本的にはペースメーカーであり,問題がなければ予定通りの時間で歩けばよい。しかし,体調不良の人がいる場合には,体調によっては救護の要請や定点ボランティアのいる地点まで連れていく,などの対処を行う。

 これらのボランティアは無給であり,交通費も出ない。業務用に支給されるのは,緑色や水色の帽子(キャップタイプ。以前はハットタイプだった)とボランティア手帳,全山縦走地図,神戸のエスプリ,ぐらいである。帽子に関しては,毎年ボランティアに来ている人は昨年の分を使い,よれよれになった場合にはお願いして新しいのをもらう形らしい。その他に,事前に腕章と名札が貸与される。腕章と名札は再利用のために業務後に返却を求められる。また,当日,業務開始地点から業務終了地点の間は,連絡用の携帯電話,または無線機が貸与される。これらは業務終了後速やかに返却することになっている。ボランティアの人は基本的に優しいので,わからないことがあれば声を掛けると分かる範囲,できる範囲で対応してくれる。ただし,原則は参加者の自己責任であり,ボランティアの人に過大な期待をしてはいけない。

(12) リタイアとエスケープルート
 六甲全山縦走は45kmだの56kmだのという長丁場である。当然,リタイアをする人が出るのは仕方ない。人によっては怪我や体調不良でリタイアの事もあるだろうし,制限時間に間に合わない場合や,体力が続かずにリタイアの人もいるであろう。リタイアをする場所は,怪我などの場合はどの場所でもありうるが,時間や体力の問題の場合は,ある程度決まった場所でリタイアとなることが多い。菊水山から掬星台だと,鍋蓋山の登り始めや,鍋蓋山の山頂など,急登区間の前後でリタイアする人が多い。また,大龍寺の山門でリタイアしてバスで市街地に下る人や,市ヶ原の櫻茶屋の所でリタイアして新神戸に下りる人も多い。その先,摩耶山への登りで疲れ切って時間切れでリタイアする人や,登りきって掬星台まで頑張ったけどそこで時間や疲れと相談してリタイアするパターンも多い。

 リタイアに適したポイントとしては,やはり,公共交通機関の乗り場に近い場所である。須磨浦公園からだと,高倉台ならスーパーKOHYOピーコック近くの高倉台バス停から神戸市営バス75系統で須磨駅に出れる。妙法寺にはコースから少し外れたところに神戸市営地下鉄妙法寺駅があるし,妙法寺交差点の南東の奥妙法寺バス停から神戸市営バス5系統に乗る手もある。高取山を降りれば,花山町バス停か堀切西バス停から神戸市営バス17系統で長田の方に出る事ができ,神戸電鉄鵯越駅からは電車で新開地に行ける。菊水山の上からだと,比較的緩い傾斜の下りで神戸電鉄の鈴蘭台駅に行ける。天王吊橋からは,歩道がなく多少危ない感じはあるが,有馬街道(天王吊橋の下の道)を海側に向かって下ると 1km ぐらいで阪急バスのバス停があるらしい。鍋蓋山を越えてすぐの地点を右下に下ると七三峠から林道で有馬街道,あるいは反対側の二本松林道から猩々池経由で諏訪山や再度ドライブウェイに出ることができる(ただし知らないとルートがわかりにくいかもしれない)。 鍋蓋山から少し進んだ先で左手に行くと,比較的緩い下り(鍋蓋北谷ルート)で鈴蘭台東口交差点へ行くことができる。さらに先に進んだ地点から左手に向かって行くと修法ヶ原に出る事もできる。土日祝日なら修法ヶ原から市街地に下る神戸市バス25系統があるが,バス停が池の向こう側にあるので大龍寺山門まで下る方がいいかもしれない。大龍寺の山門の所では,土日祝日なら神戸市バス25系統に乗ることができる。
 

大谷乗越を越えて最終区間へ

 市ヶ原まで下ると,更に山道を下って新神戸に出る事ができる。ただし,ある程度の距離があるので,ほんとに足が痛い時は,午後5時前なら市ヶ原から新神戸に向かう途中の紅葉茶屋付近からさらにアスファルト舗装路をほぼ水平に移動して布引ハーブ園の中間駅からロープウェイ(ゴンドラ)に乗るか,土日祝なら手前の大龍寺の山門の所で神戸市バス25系統に乗るのが正解だと思う。
 市ヶ原の先では,布引ハーブ園への分岐(世継山分岐。稲妻坂寄りの分岐の方がラク)があり,そこから六甲全山縦走路を外れて少々のアップダウンを乗り切ると,布引ハーブ園の山上側の入口から布引ハーブ園の展望エリアにたどり着く。午後5時までなら,そこから布引ハーブ園に入り,ロープウェイ(ゴンドラ)で新神戸駅近くに下りることができる(土日祝は展望エリアは午後8時頃まで入れるかも??)。摩耶山への道からは,学校林道分岐から山道を下って市街地に下るルートもあるし,掬星台まで行ければ摩耶ロープウェーと摩耶ケーブルカーで市街地に下る事ができる(風が強い日はケーブルカー乗り場まで下山が必要)。摩耶山から六甲ガーデンテラスまでは山上を巡回するバスがあり,摩耶山掬星台まで戻ることもできるし六甲ケーブルの駅まで行くこともできる。六甲ケーブル(2022年11月現在は,機器の故障のためバスで代替輸送中)に乗れば,鶴甲まで下りてそこから神戸市営バス16系統で阪急六甲駅やJR六甲道駅,阪神御影駅まで行くことができる。また,タイミングがあえば六甲山上域から阪急六甲に直接下りるバスもある。さらに,六甲ガーデンテラス近くから六甲有馬ロープウェーで有馬に下りる方法もある。

 六甲ガーデンテラスから先は,エスケープルートは極端に不便になる。ルートとしては,一軒茶屋のむかいから魚屋道(ととやみち)で有馬に下ることができる。 魚屋道は距離も短めで,傾斜も緩である。有馬までいければ温泉で汗を流せるし,バスで大阪に出る事もできる。また,神戸電鉄と北神急行電鉄で新神戸や三宮方面,あるいは神戸電鉄で三田に出て,JRで大阪に向かうこともできる。 一軒茶屋横から海側に下って芦屋や岡本に下る登山道もあるが,終盤少々キツイ傾斜の下り(岩場の下り)があるので,暗い時間にはおすすめしない。

 六甲全山縦走路は,一軒茶屋の少し東から東六甲縦走路の登山道に入るが,登山道に入らずに山上道路を下ると芦有(ろゆう)ドライブウェイの宝殿料金所付近に阪急バス芦屋有馬線宝殿橋バス停がある。しかしこのバスは,2022年11月現在,平日は運休中であり,土日祝は夕方は冬期運休で,運休してない季節でも阪急芦屋川経由・阪神芦屋行きが 17:11 が最終であり,逆方向の有馬温泉(太閤橋)行きは 16:29 が最終である。
 東六甲縦走路に入ると基本的には宝塚を目指さないといけない。途中,船坂峠から船坂に下る登山道もあるみたいだが,暗い中慣れない道を下るのは危険だと思う。六甲全山縦走路は多くの参加者やスタッフがいるので,六甲全山縦走路を進む方がいいだろう。大平山まで行けば,大会スタッフの人が車であがってきている。そのため,状況によっては(最悪の場合は?)車で下界に下ろしてくれると思うが,歩ける人は頑張って歩くように言われると思う(お世話になったことないのでわからない…)。大谷乗越には大会スタッフのテントがあり,そこにも車が来ているので,どうしてもの場合(怪我とか?)には車に乗せてくれる(と思う)。塩尾寺まで下りれば,車が通れる道なのでなんとかなる。しかし,いずれにせよ,東六甲縦走路に入ってからは原則として自力での下山となる。そのため,東六甲縦走路への進入時に体力,脚力,気力がもちそうかの自己判断が求められる。できれば,もっと手前の六甲ガーデンテラスでその判断をくださないといけない。そうすれば公共交通機関で下山できるので安心である。
 

暗い中,塩尾寺を通過

(13) 距離や累積標高について
 六甲全山縦走の距離は,神戸市は 56km としているが,GPS や,地理院地図から計算で求めると 45km ほどにしかならない。 これに関しては六甲全山縦走路のデータやそこから辿れるページにも書いたが,実際に歩くと 45km 程度かな?と感じるが,とりあえず,公称 56km,実質 45km という表現にしておこう。 累積標高については,GPS ロガーで取得したルート情報だと,間引き方や経路のバラつき具合などでかなり差が出るので注意が必要である。 地理院地図上に手動でルートを設定して地理院地図の標高 API を用いて計算すると,六甲全山縦走全体で約 3600 m 登り,約 3600 m 下る,という結果になる。

(14) 完走の順位やご褒美は?
 六甲全山縦走大会は順位を競う大会ではない,ということになっている。参加人数の多いこの大会で順位をつけると,過度な競争が行われて危険という判断だと思う。そのため,基本的には順位や完走タイムの公表は行われない。あくまで自己満足の大会なので,タイム等は自分で計測するか記録しておかないといけない。個人的には,デジカメでポイントに着いた時に写真を撮ることにしている。その時刻を見ればそのポイントの到着時間がわかるので,時間の記録ができて便利だと思っている。(最近は GPS ロガーで記録させ,写真の情報と併用している)
 完走者には完走の認定証と,小さな盾が贈られる。盾は幅 5cm 程度,高さ 10cm 程度の小さなものであり,六甲全山縦走路の略図と年と花の絵が描かれている。描かれる花の種類は毎年変わっている。2016年はヤマザクラだった。それ以外には特に褒美はない。あとは全山縦走のすごい達成感ぐらいかな?

(15) 達成後の風呂
 宝塚の宝来橋南詰付近には宝塚温泉がある。温泉旅館の温泉は少々高価なので,コンクリート打ちっぱなしの近代的な感じのするナチュールスパ宝塚がオススメである。普通の銭湯に比べると少し高いが,料金にはバスタオル,フェイスタオルのレンタル代が入っているし,温泉なので歩いた後にはなかなかに気持ちいい。欠点としては,土日祝が21時までなのと(2017年以前は,大会の日はお風呂のみ23時までだったが,2018年11月の大会では特に配慮はなかった。どうも温泉を利用する縦走参加者のマナーが悪くて他の温泉利用者から苦情が出たみたい),水風呂がないので疲労した筋肉を水でしっかり冷やせない点があげられる。他にもJRで大阪寄りに一駅行った中山寺駅から歩いて10分の所に宝乃湯が夜中まで開いているみたいだが,私自身はまだ行ったことがない。一度試してみないといけないなぁ。

(16) 住民の方々からの苦情
 毎回,ルートそばの住民から,うるさかったとか,ゴミが落ちていた,などの苦情があるらしい。そのため過去にはルート変更を余儀なくされたこともあるらしい。大会参加者には登山者として,また普通の大人としてのマナーを守らないといけない。あまりにひどい場合にはその場で失格等の処置が取られることがあるらしい。

(17) 足が攣る,膝が痛い
 インターネットで見ていると,六甲全山縦走の際に足が攣って困ったというブログを見かける。私自身は六甲全山縦走で足が攣ったことはほとんどない。一度だけ,2016/11/13 にみよし観音から六甲ガーデンテラスに向かって登る時に足が攣った。六甲全山縦走中では初めてだったので少し焦ったが,考えられる原因は水分不足だった。以前友人たちと一緒に六甲全山縦走した時に,友人の一人が足がつりそうになった。その時,すかさずアクエリアスを飲むとつりそうな感じはすっと消えたらしい。そこで私も足が攣った時にはすぐに水をある程度飲んでみた。すると,その後は足が攣ることはなかった。そういえば,その日に限って掬星台からまともに水分を取っていなかった。それが足が攣るという現象に現れたみたい。あくまで個人的な意見だが,足がつるのは水分と電解質が不足した時に起こると思っている。私は基本的に汗かきのため,六甲全山縦走の際には糖分・塩分の補給を兼ねて多めの水分を補給している(全山で5リットル程度)。そのおかげか,あまり足がつることがない,と思っている。登山の際に足が攣りそうとか,足が攣った場合には,トイレとの兼ね合いを考えながら積極的に水分補給をしてみてはどうだろうか?
追記)2018/11 の大会に参加した時に,鍋蓋山の登りで左右のふくらはぎ,太ももの内側,などが順に攣り,その先の摩耶山への登りでも攣りかけて大変だった…。スポーツドリンクをある程度飲んだりしたが改善せず。なんでかなぁ?筋肉の使いすぎかなぁ?どうすればいいのか誰かに教えて欲しい~。芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう,ツムラの68番)を買うか??

 また,膝が痛いという話もよく聞く。私は以前,膝が痛くなり,整形外科で診てもらったことがある。MRI まで撮ってもらったが,結果は加齢によって軟骨がヘタっているということで,特に何もできない,と言われた。困ってしまったのだが,最近は膝が痛むことはあまりない。実は大阪マラソンに当選してしまい,その練習を始めると逆に膝の痛みが減った。どうやら軟骨がすり減った状態で,太ももの筋肉が疲れると膝が痛くなるみたいだった。そこで普段から太ももの上の筋肉(表側の筋肉)を鍛えることにした。鍛えると言っても,1日に数回,立った姿勢から膝を少し曲げて腰の位置を下げた姿勢を10〜20秒続けて,終わったらゆっくりと元に戻すだけ,である。しかし,これにより多少筋肉が鍛えられるみたいで,その後は特に膝が痛くて困る状況には陥っていない(軟骨がもっとヘタったらわからないけど…)。その他に歩き方も影響しているかもしれないが,普段痛くない膝がある程度以上運動した時に痛くなるようなら,太ももの筋肉が疲れ切ったという可能性を考えてみてもいいかもしれない。

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