2014年7月6日日曜日

GNSS/GPS ロガーの比較(その3):GPS ログの比較(その6)

 今回は GNSS/GPS ロガーの比較(その2):GPS ログの比較(その5)の続きの投稿である。
また,この続きとして GNSS/GPS ロガーの比較(その4):GPS ログの比較(その7)というのを書いた。

 GNSS/GPS ロガーの比較第3弾である。 GPS ログの比較では第6弾であるが,最近はメインが GNSS になっている。 どうも GPS よりも GNSS の方が性能がいいようなので…。

 今回は4種類のロガーを使った。そのうち3つが GNSS ロガーである。
使用したロガーを具体的に書くと,
 (1) Adafruit 社が販売している Ultimate GPS unit
 (2) GlobalTop 社が販売している Gms-g9 ユニットを使った GNSS ロガー1号機,
 (3) GlobalTop 社が販売している Gms-g9 ユニットを使った GNSS ロガー2号機,
 (4) ランニングエレクトロニクス社製 Gms-g9 基板を使用した GNSS ロガー 3号機
の4つ(2種類)である。

前回からの違いは, GNSS ロガー3号機が投入された点のみである。 今回,紀伊半島を走る機会に4つの GNSS/GPS ロガーをテストしてみた。

 今回も念のために2種類のロガーについて書こう。(前々回のコピペやけど…)
1つ目は Adafruit 社が販売している Ultimate GPS unitである。 これは MediaTek 社の MT3339 チップセットを心臓部に持つ GPS 受信ユニットであり,シリアル通信でログを吐くので,適当な記録装置があれば GPS ロガーとして使える。 これは GPS 衛星だけでなく,日本の準天頂衛星システム(Quasi-Zenith Satellite System、QZSS)の衛星である「みちびき」の電波を受信でき,さらに,静止衛星を使った補正 (SBAS) の WAAS (USA), EGNOS (EUROPE), MSAS (日本) も使える。 少し前に GPS ロガーを作ってみよう〜♪ という投稿を書いているので,詳しいことはそちらを見てほしい。

2つ目は GlobalTop 社が販売している Gms-g9 unitと,OpenLog, Power Cell を組み合わせた手製の GNSS ロガー である。これは2つ用意したので,1号機と2号機として区別している。 Gms-g9 は MediaTek 社の MT3333 チップを使った GNSS 受信ユニットである。 これはアメリカの GPS 衛星のみでなく,ロシアの GLONASS など他の衛星測位システム (GNSS) 用衛星の電波を使って位置情報を得るものである。 他にも,日本の「みちびき(準天頂衛星システム(QZSS))」の電波や,静止衛星を使った補正 (SBAS) の WAAS (USA), EGNOS (EUROPE), MSAS (日本) も使える(はず)ユニットである。 Gms-g9については, Gms-g9 を使った GNSS ロガーに挑戦してみた GNSS ロガー (Gms-g9 使用) の2号機を作る に書いているが, その後改良を加えている。 さらに最近,ランニングエレクトロニクス社から Gms-g9 の breakout ボードが発売された。 そこで,3号機にはランニングエレクトロニクス社製の Gms-g9 breakout ボードを使ってみた。 他には OpenLogPower Cell を組み合わせている。 詳しくはランニングエレクトロニクス社製 Gms-g9 基板使用 GNSS ロガー 3号機の製作を見て欲しい。

 今回のルートは橋本市から国道371号線を南下して潮岬まで行き,帰りは北山村から国道169号線で帰ってきた。 その途中でのロガーの記録した経路を比較してみた。 詳しくは,ツーリングの記録を見てみてほしい。 地図上のルートは今回のルートマップで見ることができる。 4個の GPS/GNSS ロガーは,登山用の小さなデジカメ用バッグに入れて,全てアンテナが上を向くように配置して走った。

今回もログをポイントを絞って比較してみよう。 それぞれのログは,適当な処理を施して Google Maps に表示できるようにした。 いずれも点の数が多いので,適当に間引く処理を行なっている。 ここではそれぞれのルートマップへのリンクは省略している。

(1) 国道371号線の合川から木守にかけての旧大塔村区間
R371大塔 AdafruitR371大塔 Gms-g9 No.1
R371大塔 Gms-g9 No.2R371大塔 Gms-g9 No.3

 この区間は国道371号線の第二分断区間に向かう区間であり,狭路の具合,距離,川,山,いずれをとってもこれぞ R371 という区間である。 ログを見ると,いずれのロガーもそれなりに頑張っており,GPS ロガーである Adafruit 製 Ultimate GPS unit も結構いい線いっている。 しかし,Adafruit 製 Ultimate GPS unit,GNSS ロガー1号機,GNSS ロガー2号機,はいずれも少しルートから外れている箇所がある。 それに対して GNSS ロガー3号機ははっきりとわかるズレがなく,この区間では一番いい結果を残してる。

(2) 国道371号線の第2分断区間をつなぐ林道木守平井線
木守平井線 Adafruit木守平井線 Gms-g9 No.1
木守平井線 Gms-g9 No.2木守平井線 Gms-g9 No.3

 この区間は国道371号線の第二分断区間である,林道木守平井線であり,道は白い線で表されている。 この区間は比較的ログのずれが大きい区間である。 Adafruit Ultimate GSP unit を使った GPS ロガーは,結構大きくルートを外してる。 GNSS ロガー1号機,2号機はまずまずルートをフォローしているが,地図の右上付近で多少ズレが見られる。 ここでもやはり GNSS ロガー3号機が一番ずれが少なくなっている。 やっぱりちゃんと作られた breakout board の方が性能がいいのかなぁ??

(3) 林道木守平井線から国道371号線に戻る平井付近
平井 Adafruit平井 Gms-g9 No.1平井 Gms-g9 No.2平井 Gms-g9 No.3

 この区間は国道371号線の第二分断区間から R371 に戻る場所付近である。 ここも1個前の区間と同じく,GNSS ロガー3号機,2号機と1号機,GPS ロガーの順にだんだんと悪くなっていっている。 しかし,逆にいうと,GNSS ロガー3号機はあまりズレがなく道路をフォローしてる。 しかし,他の3個,特に GPS ロガーはかなりログがブレている。 どうも電波の受信の具合がよくないのだろうか?

 今回は GNSS/GPS ロガーの比較を行ったが,結論からいうと,GNSS ロガー3号機が一番良いログを残していた。 捉えた衛星の個数等を細かく比較はしていないが,どうやら GNSS ロガー3号機が一番電波受信状況がよかったみたいである。 GNSS ロガー1号機と2号機との違いは,私がバラックで作ったユニットか,ちゃんと作られた breakout board か,という点ぐらいである。 もしかしたら電源ラインに入れているフィルターの具合が少し違うのかもしれない。 GPS ロガーよりはずっといい感じになっているので,私の作品もそれなりにいいものになっていると思うのだが…。

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