2016年10月18日火曜日

地理院地図で六甲全山縦走路の登山道が修正されていた

後日,六甲全山縦走を達成するにはというのを書いた。そちらも見てみてほしい。
六甲全山縦走路については,以前書いた六甲全山縦走路の距離についてや,六甲全山縦走路のデータGPS 経路データから求めた誤差についても参考にして欲しい。

 私はここ数年間,毎年のように六甲全山縦走を行っている。 六甲全山縦走は,須磨浦公園(以前は塩屋)から六甲山系を歩いて宝塚に至る 45km (神戸市主催の六甲全山縦走大会では 56km ということになっている)の登山ルートである。 途中,旗振山,鉄拐山,栂尾山,横尾山,東山,高取山,菊水山,鍋蓋山,摩耶山,等々の山頂,あるいは山頂近傍を歩いていくため,累積の獲得高度は 3500m を越える(計算によっては 3000m 程度になったりするが…)。六甲全山縦走はこの 45km を1日で踏破することを意味する(と思っている)。

 個人的にはこれまでに,2014年秋に3回,2015年春,2015年秋に3回,2016年春,2016年秋に1回と,合計9回踏破している。歩く際には,毎回 GPS(GNSS) ロガーを持ってルートの記録をしている。 さすがにそこまで歩くと,いろいろデータを調べたくなり,六甲全山縦走路のデータを書いた。 そのページは神戸市主催の六甲全山縦走大会(通常11月に2回行われる)が近づくと閲覧者が増える。 それに合わせるように,時々ページを読み直したりしているが,最近ふと気づいたのでこのページを書くことにした。 何に気づいたかというと,地図上の登山道が変更された,という事に気づいた。

 六甲全山縦走路のデータというページは 2015年10月26日付で書かれている。 そのページにはデータ表があるのだが,そのデータを得るために地理院地図上にルートを作成し,その経路点から高度データなどを取得してブログに利用した。 その際のルート図は六甲全山縦走路 by matsup にあるのだが,この地図を見ていて,ルート線と地図の登山道にずれがあるのに気づいた,のだった。 GPS(GNSS) ロガーのデータで地図を描いたことがある人はわかると思うが,通常,GPS(GNSS) ロガーで取得した経路は,電波の受信状況などによって結構バラつきが見られる。 そのためルートと地図上の登山道がずれていても,多くの場合は GPS(GNSS) が電波の取得に失敗して,経路がずれて記録されたのだろう,と推測される。 しかし,上記のルート図六甲全山縦走路 by matsup は,地理院地図上の登山道に沿ってルートを手で描いたものであり,ルート線と地図の登山道にずれがあってはいけないのである。 むしろ,以前はGPS(GNSS)ロガーの記録の方が一部の区間で毎回系統的なズレがあった。 例えば,菊水山から天王吊橋に至る「城ヶ越」付近や,市ケ原から摩耶山に登る「天狗道のコブ」付近,「東六甲縦走路の大谷乗越を過ぎた辺り」,でズレが見られた。

 それが,今回みると,地理院地図上の登山道に沿って描いたはずのルートが地図上の登山道からずれているのが見られた。 不思議に思ったので,以前の歩行データを地図上にプロットしたものを見てみた。 するとGPS(GNSS)ロガーによるルートと地理院地図上の登山道とのズレが減っていた。 つまり,以前と逆の状況になっていた。 以下に,「城ヶ越」を並べてみてみよう。

(1) 以前の地理院地図上の登山道に沿って描いたルート:

 城ヶ越付近にはっきりとしたズレが見られる。

(2) 左から,2015/4/4,2015/10/24,2015/11/7 に六甲全山縦走した時のルート図:

 いずれも城ヶ越付近は地図上の登山道に沿っているのがわかる。

 どうも何かが変わったみたい。 そこでネットをぶらぶらしていると,六甲全山縦走路登山道調査図というページを見つけた。 拡大ができないが,どうやら国土地理院が自治体と協力して登山道のルートを修正したみたいだった。 六甲全山縦走路意外にも幾つかの場所で調査が行われているみたいで,国土地理院の登山道調査の記録のページに履歴が載っている。 六甲全山縦走路に関しては,平成27年(2015年)11月23日に調査が行われたみたいだった。 つまり,それによって六甲全山縦走路のルートが「現状に合うように」修正されたみたい。 六甲全山縦走路の他の区間でも以前見られた系統だったズレは減っていた。 それ自体はいいことだと思うのだが,まだ実施された登山道は全国のほんのごく一部みたい。 もっと多くの登山道で測定が行われる方がいいと思うのだが,なかなか調査されないのはそれなりに大変だからだろうか?

 折角なので,以下に六甲全山縦走路を地理院地図上に表示したもののリンクを示そう。 1個目は私が過去に手動で地図上にルートを描いたもの,その他は全て実際に六甲全山縦走路を歩いた時に GPS(GNSS) ロガーで記録した経路である。 GPS(GNSS) によるデータは,それなりにバラつきがあり,電波の受信状況等によって系統的なズレが生じしている区間もある点は注意して欲しい。 実際に見てもなかなか違いはわからないと思うが,(1) とそれ以外の地図を拡大して,じっくり見れば違いがわかると思う。 場所としては,上記の (A) 菊水山から天王吊橋に至る「城ヶ越」付近,(B) 市ケ原から摩耶山に登る「天狗道のコブ」付近,(C)「東六甲縦走路の大谷乗越を過ぎた辺り」で顕著な違いが見られるはず…。
  (1) 六甲全山縦走路 by matsup:以前の地理院地図上の登山道に沿って描いたルート(今はずれている)
  (2) 六甲全山縦走路(2014/10/25):2014年10月25日に歩いた時のルート
  (3) 六甲全山縦走路(2014/11/22):2014年11月22日に歩いた時のルート
  (4) 六甲全山縦走路(2015/4/4):2015年4月4日に歩いた時のルート
  (5) 六甲全山縦走路(2015/10/24):2015年10月24日に歩いた時のルート
  (6) 六甲全山縦走路(2015/11/7):2015年11月7日に歩いた時のルート
  (7) 六甲全山縦走路(2015/11/23):2015年11月23日に歩いた時のルート
  (8) 六甲全山縦走路(2016/4/30):2016年4月30日に歩いた時のルート
  (9) 六甲全山縦走路(2016/10/10):2016年10月10日に歩いた時のルート
  (10) 六甲全山縦走路 2016 by matsup:2016/10に地理院地図上の登山道に沿って描いたルート

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