2014年11月15日土曜日

六甲全山縦走路の距離について

追記)まずは,六甲全山縦走路の地図と全山縦走路を歩いた際のコースの写真へのリンクを載せておこう。
  ・六甲全山縦走路・コース図(地理院地図)
  ・六甲全山縦走路の写真 (2014)
また,(追記2)として,六甲全山縦走路の各区間の距離を最後に載せている。
後日,六甲全山縦走路のデータに各区間の距離や傾斜のデータの情報について書いてみた。
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 今回は六甲全山縦走路の距離について考えたいと思う。

 そもそものキッカケは,自分で六甲全山縦走路を走破したことに始まる。 六甲全山縦走は高校時代からの課題だった。 うちの高校は3年間かけて六甲全山縦走路を分割で走破することになっていた。 しかし,高2の時は手術後で参加できず,高3の時は雨で縦走が中止なってしまっていた。

 今年の夏に同窓会で集まった時に,一人 TJAR に参加したやつがいた。 彼は結局途中リタイアになってしまったが,そもそも参加出来るだけですごい大会なので,それだけですごいと思っていた。 その話をしている時に,ふと「六甲全山縦走」してみたい,と思い,会話の中で話をしてみた。 すると,他の奴も六甲全山縦走をしたい,と賛同してくれた。 やっぱりみんな六甲全山縦走が気になっていたんや〜,と思ったのだった。

 そこで,2014/11/8 に参加できる同窓生を集めて六甲全山縦走をしようということになった。 最終的に7名が参加し,全員が無事13時間半かけて完走した。 私自身は,六甲全山縦走のためのトレーニングのために,9/15 から毎週,六甲山か比叡山に登って足を鍛えていた。 そして,10/25 に単独で11時間半で六甲全山縦走を完走していたのだが…。 つまり,3週間で2回も六甲全山縦走をしたことになる。 我ながらよくやった,と思った。

 その時に,2回六甲全山縦走したということは,それだけで 112 km も歩いたことになるやん,と思ったのだった。 何故かと言うと,公式には六甲全山縦走コースの距離は 56 km ということになっているからだった。 しかし,神戸市が発行している公式マップの経路上にある距離を足すと「53 km」にしかならない…。 なんで 3km 違うんやろ?と思ったのだった。

 また,自分で歩いた時に,GNSS/GPS で歩行経路を記録していた。 そのデータから縦走路の距離を出すと 43.5 km 程度になっていた。 56 km に比べるとかなり短い。 それはきっとくねくねとうねった経路を滑らかにした際に距離が短くなったのと,鉛直方向の距離を考慮に入れていないからだろう,と深く考えずに思っていた。

 しかし,それにしても 56 km と 43.5 km はあまりに違うと感じていた。 そこで,高度の情報を考慮することにした。 作戦としては,地理院地図のページの高度情報(高度API)を使って,位置座標から高度を得て,それを距離に反映させることにした。 高度の反映のさせ方としては,2点間の平面上の距離の差(Δx)と同じ2点間の高度の差(Δh)から, 進んだ距離を斜面の長さ L として求める作戦である。 (ちなみに,平面距離は,ルートデータの各点の間の距離を緯度と経度からヒュベニの公式を用いて計算して,合算して求めている) 式としては L = sqrt (Δx * Δx + Δh * Δh) として求め,それを全経路にわたって和を取る,というものである(sqrt は平方根の意味)。

 実際に単独で六甲全山縦走をした時と,友人たちと六甲全山縦走した時のデータを用いると,
    flat distance : 43550.5 [m](単独)
creepage distance : 44396.1 [m](単独,沿面距離)
    flat distance : 43843.3 [m](集団)
creepage distance : 44657.4 [m](集団,沿面距離)
となった。
 ちなみに,累積高度は,
単独:上り合計 3172.8 [m],下り合計 -3143.8 [m]
集団:上り合計 3142.9 [m],下り合計 -3109.9 [m]
となっている。 単独の時は六甲最高峰まで登っているが鉄拐山はパスしていた。 逆に集団の時には鉄拐山には登ったが,六甲最高峰はパスしている。 それ以外はほぼ同じコースをたどったので,累積高度の違いは妥当だと思っている。

 歩行距離の単独で行った時と集団で行った時の距離の違いは,歩いた経路が微妙に違うからかもしれないが,詳しい理由はわからない。 どちらかと言うと単独の時の方が六甲最高峰まで行ったりしているので,長いような気がするのだが…。 また,平面上の距離と沿面距離の差は,43.5 km 程度に対して,単独時も集団時もともに +800 m 程度となっている。 この妥当性はよくわからない。 しかし 43.5 km の半分の距離の間に一定の斜度で累積高度 3.1 km 分だけ上り,同じ 21.75 km の間に再び 3.1 km を下ると考えて, ピタゴラスの定理で斜面の長さを出した場合の 43.94 km (+440m) よりは長く,こんなものかなぁ?という気もしている。 一般に同じ累積高度なら一定の斜度で登る方が斜面の距離は短くなる。 逆に短い水平距離の間に高度を稼ぐと,それだけ進む距離は長くなる。 極端な例として,経路の中間点まで水平に進み,中間点で一気に 3.1 km 登って,すぐに 3.1 km 下り,再び水平に最後まで進むと, 距離は 43.5 km + 3.1*2 km = 49.7 km となる(当然これは過大評価である)。

 結局のところ,私の歩いた距離は 44.5 km 程度,ということになる。 この値は,例えば西遊嬉(saiyuki)さんのサイトの 神戸新聞WEB 2011/06/25 15:40 の 45.1 km に近い値となっている。(元は西田次郎氏の憧憬の56.4km-六甲全山縦走路(前)というのにさっき気づいた。西田氏のサイトには神戸新聞の画像が載っている。後編は見つける事ができなかった…) 微妙な差は私の場合六甲全山縦走大会のように車道に沿って歩いたから,というのが効いているかもしれない。 しかし,この程度は誤差と思っていいだろう。
追記)2018/11 にこんな記事を見つけた:本当はもっと短い? 公称56キロの六甲山縦走路(神戸新聞NEXT)

 最終的に,きっと 45 km 程度,というのが正しい値なんだと思う。 複数の人がメジャーで測っているらしいし…。 なぜ神戸市が訂正しないかわからない…。 まぁ 45 km としても,縦走2回で最低 90 km は歩いている。他の日にもまあまあ沢山歩いているので,3週間で 110 km 程度は歩いているはず。 これは今までの私の不摂生な生活からすると,画期的に凄いことである。

追記2)2015/4/4 に再び六甲全山縦走してみた。その際は神戸市発行の六甲全山縦走路の地図のコース通りに歩いてみた。 備忘録として,その時の GPS ロガーのデータから得た沿面距離のデータを載せておこう。 ただし,あくまで私の解析によるので,どこまで正確かは不明であるが…

   須磨浦公園〜鵯越駅:12.97 km
     鵯越駅〜市ヶ原:8.14 km
     市ヶ原〜摩耶山:3.82 km
 摩耶山〜ガーデンテラス:6.59 km
 ガーデンテラス〜最高峰:3.02 km
  最高峰〜東縦走路入口:1.33 km
  東縦走路入口〜船坂峠:1.94 km
    船坂峠〜大谷乗越:2.59 km
    大谷乗越〜塩尾寺:3.07 km
   塩尾寺〜宝来橋南詰:2.36 km
          合計:45.83 km

この日の累積高度は,上りが 3541m, 下りが -3514m だった。どうも経路点の取り方によって累積高度はかなり違ってくるみたい。 地理院地図でそれらしいルートを手動で描いてデータを取ると,沿面距離は 45.8 km,累積高度は上り 3617.6 m,下り -3584.7 m となった。

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